2010/11/28

新作が早くもSFマガジンに!

 昨夜、テッド・チャンの"The Lifecycle of software objects"の翻訳が今月号のSFマガジンに掲載されていると知り、今朝あわてて本屋さんに行ってきました!

S-Fマガジン 2011年 01月号  

すごいですね、表紙にどどんとお名前が。人気あるんですね。(身の回りにファンがいないのでどーもロビンソン・クルーソーな気分が抜けないのですが(^ ^;))

でもせっかくここまで英語で読んだのだし(現在kindleの表示で85%)、正直購入はどうしようかなあ、と思ってたんです。おまけに買い込んだドキュメントスキャナで一生懸命紙減らしをしているところだし・・・。たぶん早めに単行本も(もしかしたら"Exhalation"と抱き合わせで)出るだろうし、結果的に二重に買うことになっちゃうよなあ。立ち読みして、ほかになにか情報が載ってたら買おうかなあ、と、道々考えながらお店へ。

が、扉のイラストを見たとたん、あっさりレジに向かってしまいました。(笑)そうなんですよ!読んでて頭に浮かぶディジエンツはこーいうかわいいイメージなんです。マルコとポーロですね、これは♪

・・・洋書のイラストはロボットのジャックスの、わりと痛々しいイメージのイラストが多かったもので、なんか違和感あったんです。(まあ、内容的にそういう部分が大いにあるのですけど)日本とアメリカの違いってこういうところにも出るのかな。原作本と翻訳をこういう風に見比べる体験はしたことがないので、面白いなあ、と。やっぱり「カワイイ」="Cuteness" は日本の十八番ですね。ジャックスじゃなくてマルコとポーロを持ってきたところに、なんかお国柄が出ている気がします。

・・・駅前のTSUTAYAになくて冷や汗をかき、別のお店で見つけてとりあえず手に入れてほっとしました。でも作品以外に特に情報というのはないようなので、しばらくこちらはお預けにして、英文のほうでいったん読み切ろうと思います。翻訳はそのあと、答え合わせ(?)の意味で読もうかと。(誤読してるかもしれないので~(^ ^;))正直体調のせいで英文を読むのがつらくて、しばらく放置してました。持ち直してきたところでタイミングよくカツが入りましたので、改めて続きを読みまーす♪

2010/11/14

Kindleさまさま♪

 "The lifecycle of software objects"、kindleのおかげで読みやすくなりました。…kindle版が販売されてるわけでも自炊したわけでもなくて、発行元のsubterranean pressのサイトに、なぜか全文(に見える)掲載されているのを見つけたのですよ…い、いいのかこんなことして?8月に出たばかりだぞ…?(汗)

…思えばチャン氏の作品はウェブで読めるものが多いですよね。今回のなんか版元サイトで公開してるので、出版社としてどういうポリシーなのかよくわかりませんが…。アチラのSFギョーカイでは普通なんだろうか?
とにかく「いちおうハードカバーを買ってるし、い、いいよね?(^ ^;)」ということで(?)恐る恐る頂戴して、テキストファイルにしてkindleに入れました。(これが日本語の本で、千数百円出して買ったあとにネットで全文タダで読めるのがわかったら、ちょっとハラが立ったかも(笑)。今回はkindleで読めるデジタルテキストが手に入るのはありがたい!というほうが勝ってますけれど)

カーソルを置けば意味が出るという辞書機能のおかげで、ずいぶん読むのが楽になりました。 今までは机の上で本と電子辞書を広げないと読めなかったのが、寝っころがっても読める!当然、「ちょっと読もう」というハードルが低くなって、やっと「英文講読」から「読書」に近い感じになってきました。

kindleはデフォルトでは英英辞典しか入ってないので、英辞郎kindle対応版を入れました。すごく便利です。(欲を言えば、慣用句もキーボード入力じゃなくて、カーソルで選択して一発検索できるとありがたいんだけどな…)

テキストファイルは朗読機能も利くので、リスニングができればオーディオブックとして楽しむこともできます。すごすぎる!ワタクシはオーディオではまったく歯が立たない英語レベルなので、「いま読んだところを音声で聴いてみる」という英語学習のノリですが、意味を調べたばかりの単語が入った文章を音声で聞けると、なんかコトバとしての臨場感が高まるような気がします。

これまでは、こういうアプローチをするには、学習用に細工して販売されてるものを買うしかありませんでした。でもkindleを使うと、好きな作家の作品で英語学習できます。贅沢ですね。やる気が全然違うというか、学習という気分ではないです。もっとナチュラルに「知りたいことを知る」感じですね。

そういえば、英語でならただで読めるものっていろいろあるんですよね。とりあえず思いついたところで…コナン・ドイルせんせの"Through the magic door"とか、それに載ってたドイルせんせのお気に入りのマコーレーのエッセイとか…グーテンベルクを見てると、そういうものがあっさり出てくるので、さっそくダウンロードしました。
『モーリス』の作者E.M.フォースターの作品で気に入っている『果てしなき旅』(The longest journey)もあったので、こちらも。英語で読み通す覚悟はさらさらないですが(笑)、ちらっと参照できると思うとすごく嬉しいです。先に翻訳で読んだものなので、勘が働いて読みやすいですし。

話がテッド・チャンからずれちゃいましたが…"The Lifecycle..."は、「うーん、本当のライバルはジャックスだと思うぞ、デレクさん…」と突っ込みをいれたくなってるあたりを今読んでます。(読んだ方にはおわかりいただけるかと(笑))

レビューを拾い読みすると(ネタバレを避けたいのでがっつりは読んでません)、「いいことはいいんだけど…」的な、ちょっとイマイチな感想も散見されるのですが、部分的に頷けます。最近意識したのですが、これまでに読んだチャン氏の小説って地の文に魅力があるものが多いんです。(私見なのでそうは思わない方ももちろんいらっしゃると思いますが…)で、そのつもりで読むと、今回は地の文がわりと普通っぽいというか…へんな言い方ですが「普通の小説みたい」なんです。いろんなアプローチを試す方らしいので、バリエーションを増やしたという感じかもしれませんが。そのへんが「あらかじめ"チャン節"を期待している」読者からすると、肩すかしと感じられるかもしれない。「普通の小説みたいな文体って、それで充分じゃないか」、と思えないのは、これまでの作品のレベルに慣れちゃったからで、要するにもともとの評価が高い作家さんゆえの要求ともいえるかと。…レビューを書いてる方はそういう意味で言ってるんじゃないのかもしれませんが…今のところの自分の感想です。最後まで読んだら、あらためて感想を書こうと思います。

(だいたい英語で読みきったのは"Exhalation"だけで、そこからの印象ですので…あれはほんとに、ある意味詩のように感じましたから!あとは邦訳で読んだので、訳者さんのセンスのよさを原文の魅力に繰り込んじゃってる部分があるかもしれません。『あなたの人生の物語』の文体など、ほんとに翻訳した方のセンスを感じます)

*追記とリンク*
…作品テキストのページにリンク張っていいのかしら、と躊躇してたんですが、どうやらこの版元が発行してる無料のオンラインマガジンという体裁のようです。 アレコレ登録も必要なく、ホームページからクリックすれば読めちゃうので、リンク張っておきます。 慣れないと後ろめたいなあ…(^ ^;)コンテンツの使いまわしのサイクルが速いんですね。

http://subterraneanpress.com/index.php/magazine/fall-2010/fiction-the-lifecycle-of-software-objects-by-ted-chiang/
(※記事引っ越し時点ではリンク切れになっています)

 

2010/10/15

"Stories of your life snd others" Small Beer Press版到着♪

 "Stories of Your Life: And Others" Small Beer Pressバージョン、本日届きました!

これがチャン氏がアイデアと予算を出して作ったというイラストを使った表紙ですね。
文字というか数式?(私にはチンプンカンプンです(^ ^;))で人の顔ができてます。
PP貼りがピカピカです~♪嬉しいですぅ~♪(笑)

これ、じつはちょっと前にAmazonから「お届けは12月になります」とかいうメールがきてたんですが、なんだったんだろう。文句を書かなくてよかった…(笑)。

読んでいる"The Lifecycle of Software Objects"のほうの「英文講読」が、半分くらいのところでイベント準備のためにストップしちゃってるんですけど、J庭終わったら巻き返すつもりです。

とにかく今日は嬉しいので記念撮影~♪(我ながらミーハーだなー…(^ ^;))



2010/09/29

『商人と錬金術師の門』が文庫アンソロジーに収録♪ (2010/9/29)

 SFマガジンを立読みに行って、先々月あたりに座談会の形で告知されていたテッド・チャン氏の『商人と錬金術師の門』が収録されるという、時間SFアンソロジーが発売になっているのを知りました。さっそく文庫の棚に。…ありました!しかも『商人と…』は一番最初に収録されてました。これでSFマガジンのバックナンバーを探さなくとも読めるようになりましたね♪

ここがウィネトカなら、きみはジュディ  時間SF傑作選
(SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
  

SFマガジン収録号は持っているので、ダブッて持っててもなあ…と迷ったんですが、他の収録作も時間をテーマにしたSFの選りすぐりということなので、購入しました。

偶然なんですが、古本屋さんでアシモフの時間SF『永遠の終わり』を見かけて、食指が動いたばかりだったんです。ただし、そこにあったものは「いくら100円でも汚すぎる…」というシロモノだったのでやめたんですが…。帰ってアマゾンを見たら、これ絶版なんですね…ううう、どっちにしろ古本で手に入れるしかないのか…。(ため息)

(余談ですが、これは高校時代にタイトルだけ聞いた作品でした。その頃親しかった「アシモフ大好き」の友達がはまりまくっていて、逆に読みにくくて読む機会を逃した、という思い出があります…(笑)。毎日学校で顔を合わせる友達だったので、万一自分が「入り込めなかった」場合、感想が言いにくいなあ、と。…身近に同じジャンルのファンがいると、かえってこういう気兼ねがあるんですよね。「もう絶対オススメ!」と太鼓判を押されると特に…(^ ^;)。どんな名作でも、突き詰めると個人の好き嫌い次第ですから…その点、面識のない人の書評やレビューでいくら褒められてても、気楽に読めるというものです(笑))

…というわけで、タイミングよく「時間SF」に食いついてしまいました。他の収録作も読むのが楽しみです♪
『商人と…』も、パッとページを見た瞬間、「SFマガジンの二段組で読んだときとは印象が違うな」、と感じました。チャン氏の作品を読むとき、「地の文」の味わいにけっこう魅力を感じるほうなので、一段組で目に入ってくると、その感じが強くなる気がします。うーん、組み方で印象って変わるもんなんですね。同人誌を作るときも意識してみよう、と思いました。(これまでは、「ページ節約のために二段組」、くらいの感覚でやることが多かったので…(^ ^;))

じつは今、あまり本を読む時間がとれないのです…。(10月末のJ庭合わせ新刊の準備にほとんどの時間を注ぎ込んでいるため)短編ならちびちびと手をつけられるかな…。でも、続きが気になってる"The lifecycle of software objects"の英文購読のほうに時間をあてたいのもあり…一日82時間くらいほしいデス…。(涙)