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2017/10/22

『メッセージ』日本盤発売&レンタル開始

 10/18に、日本盤DVDとブルーレイの販売・レンタルが開始されましたね。(地元のツタヤさんには前日にもう並んでいました☆)

じつはずっとブルーレイプレーヤーの導入には抵抗していたのですが、今回はテッド・チャンさんの解説動画がブルーレイの方にしか入っていないということで、仕方なくプレーヤーと一緒にブルーレイで購入しました。(露骨に販売戦略に流された感じで口惜しいー(笑))




でもこの特典映像はやはり見られてよかったです。チャンさんの美声ファンとしては、これでネットに頼らずともいつでもお声が聴ける、というだけでも嬉しいですけど(笑)、とにかく内容が充実しているので。

原作の思い付きの元だった変分原理、物理学では違いがないという過去と未来、その両者の違いをエントロピーにからめて説明する仮説、モチーフからどうキャラを設定したか、サピア=ウォーフの仮説に出てくるホピ族、「避けられない未来を知った人はどうするだろう」という本質的なテーマ(そしてこれはじつは私たち全員の問題、というところも)――いずれも少しずつではあるんですが、盛りだくさんです。そしていつも通り決めつけない、安心できる語り口。このコンテンツだけでも買った価値はありましたが、他の特典映像も興味深いものばかりで見ごたえありました。プレーヤー買った甲斐がありました。(笑)

というわけで、特典ばかり繰り返し見ているのですが(笑)、もちろん本編も見直したいと思います。劇場で二回見ただけで記憶に頼って薄い本を書いたので、間違いを発見しやしないかとちょっと怖いですが(笑)、落ち着いて見たいです。

気軽にレンタルでも見られるようになったので、おすすめもしやすくなりましたよね。監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは新しいブレードランナーの監督もしていて話題になっていますし、そこからのいもづるでもたくさんの方がご覧になるといいなあ、と思います。ほんとにいろんな意味で稀有な、いい映画になっていましたね。

そうそう、10/20はチャンさん50歳のお誕生日でしたね。遅ればせながら、Happy Birthday!

 

*      *      *

 

さて、映画公開後、検索でご新規の方がご覧になる可能性も増えたので、薄い本(同人誌)について書くのはちょっとためらうのですが(笑)、以下はいちおうお知らせ(ご報告)でございます。(^^)

前回ちらっと書きました、『メッセージ』を特集した洋画レビュー本、8月に出来上がりまして、その後の同人誌イベントで販売させていただいております。(お読みいただいた方々ありがとうございます。お暇つぶしになっていれば幸いです)

特集は主に原作から変わった部分の考察で、変分原理を省いたことの英断(だと私は思います)についてなど、いろいろ書いています。サピア=ウォーフの仮説についても、その時ベンジャミン・ウォーフの論文集を読んだら面白かったので、ホピ族の時間概念と「Arrival」(原題)と言う言葉がつながる所なんかをからめてご紹介しています。本の半分近くがこれの特集です。(書きたいことが多すぎました!(^^;))ほぼテキストだけで、一枚だけ昔描いたチャンさんの似顔絵が入っています。

冬のコミケに当たったら持って行きます。(JUNE/BLエリアなので場違いではありますが(笑))おついでがあったらお立ち寄りくださいませ。自家通販もしておりますので、ご興味をお持ちの方は下記からどうぞ。
【※追記:bloggerへの引っ越し時点では販売を終了しております】


(リンクは詳細ページ)


※同人誌になじみのない方へ念のために: 上記は個人出版の小冊子で、しかも自宅でプリント・ホチキス製本した「コピー誌」という一番手軽なタイプのものです。書店で売っているような立派な体裁ではないので、どうぞご承知おきくださいませ。 m(_ _)m


2017/08/02

『顔の美醜について―ドキュメンタリー』TVシリーズ化のアナウンス

 先日拾ったニュースです。『メッセージ』の脚色をしたエリック・ハイセラーさんがまたテッド・チャン作品を脚色、作品は『顔の美醜について――ドキュメンタリー』。しかもテレビシリーズで、AMCというネットワークで放映されるらしいです。まだ「脚色しています」という段階なので、だいぶ先かもしれませんが……。

当のハイセラーさんのツイートと一緒に、記事二つにリンクを貼っておきます。



 

TOR.com: Arrival Screenwriter Eric Heisserer Adapting Another Ted Chiang Novella

 

TB: “ARRIVAL” TEAM REUNITES TO DEVELOP NEW SCI-FI SERIES FOR AMC

 

しかしこれまた意外なチョイスですねえ……ちょっと驚きました。そういえば、以前『理解』も映画化という情報がありましたが、どうなったんだろう? でもチャンさん自身へのインタビューでは待機中の脚色企画は複数あるというお話だったので、いくつか進行中なのかもですね。

一番映像に向いてると思った『地獄とは神の不在なり』は宗教的な切り口がネックで見送られたとのことだったのですが、『メッセージ』の成功でまた状況が変わってくるかも?(願っているわけではないんですが、一番「絵」として印象的なものになりやすいと感じた作品だったので)でも考えてみると、宗教的側面に加えて主人公がある種の身体障がい者、ということも難しいかもしれないですね。演じる俳優さんのチョイスとか……(まあ、今の技術ならどうとでもなりそうですが……)

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前回ご紹介したインタビューのうち、一番興味深かったものを個人ブログのほうでこそっと訳してみました。短めですが「こんなのがパンフに載っていてほしかったな~」という感じの充実した内容なので、よかったらご覧くださいませ。

牛乃の日記(仮): 『メッセージ』: 原作者テッド・チャンが語る小説から映画へのプロセス(リンクと拙訳)

 

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今月のコミティア(コミケは落ちたので(^^;))に向けて、『メッセージ』を柱にした洋画レビュー冊子を準備中なのですが、思いつくことや調べたいことがどんどん拡大していくタイプの映画なので、まとまりがつけられなくて苦労しています。楽しいんですけどキリがなくて(笑)。でも「映画として」という鑑賞が充分にできてない気もします。原作への思い入れがかえって邪魔になることもあるんだなーと……。なるべく予備知識や先入観なしに見るのが自分としては理想の鑑賞なので、ないものねだりですがいっぺん記憶を消して見てみたいです。(笑)

2017/06/19

『メッセージ』関連インタビュー等

 遅ればせながら、5月にようやく日本公開になった"Arrival"――邦題『メッセージ』。公開翌週に見てまいりました。もう、こんなに素晴らしい脚色とは予想もできませんでした。映画好きとしても原作ファンとしても嬉しいです。

で、公開までは脚色のネタバレを避けて映画関連の情報漁りは控えていたんですが、ようやく自分に解禁。思ったよりチャンさん自身へのインタビューは少ない印象で、音声ソースは聴き取れないところもあるのですが、とりあえず見つけたものにリンクを貼っておきます。

CBC Radio: Sci-fi writer Ted Chiang on his story's 'unconventional' adaptation into the film Arrival
ラジオ番組のようで、最近のものは音源をダウンロードできるみたいなんですが……遅すぎたのかこの回はダウンロードページに見当たりませんでした。しくしく。他のインタビューで言及された話が多いようですが、充実した内容という印象です。

NPR: 'Arrival' Author's Approach To Science Fiction? Slow, Steady And Successful
こちらも音声ですが、トランスクリプトとそれを整理した記事あり。音声もmp3でダウンロードできます。がっつりインタビューというより、短い音声ソースを編集した感じです。中に出てくるグレイディ・ヘンドリックスさん(脚本家さんのようです)のチャンさんについての評がわが意を得たり!です!

SYFYWire: Author Ted Chiang reveals how Arrival went from page to screen
こちらはテキストの記事で、比較的短いですが、脚色のプロセスについて、面白いと思うSF番組について、なども話しておられます。興味深い内容なのでまたこそっと訳したいんですが、映画公開時期と仕事の忙しくなった時期が重なってしまいまして。できたら下記のブログかなんかに載せますね。最近モバイルで読む方も多いようなので、PC用サイトだと読みにくいかもしれないので……(自分は未だにスマホを使ってないアナログ人間でして、表示が確認できないのです(^^;))
【※blogger転載時追記:元はPC用サイトの1コーナーだったので、こんなことを書いています】

【2017/8/2追記】拙訳ブログに掲載しました。よかったらどうぞです。
牛乃の日記(仮): 『メッセージ』: 原作者テッド・チャンが語る小説から映画へのプロセス(リンクと拙訳)

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個人ブログに映画の感想も載せております。主に小説からの変更・脚色部分についての「褒めちぎり」です。(笑)
例によって長いですが、よかったら合わせてご覧ください。

牛乃の日記(仮):
見事な昇華/『メッセージ』感想(その1)

「武器」/『メッセージ』感想(その2)

もう一度見たいと思いつつ、なかなか時間がとれないままそろそろ上映終わりそう……そう何回も続けて見たいとは思わないんですが(これはチャンさんの小説も同じなんです。なぜか)できればもう一度くらいは再見したいです。初見はどうしても原作との比較に気がいってしまったので、もっと「映画として」とらえ直せればと……。

2016/12/04

動画2本:"Arrival"サンディエゴプレミアQ&A /ワークショップ(新作朗読付き!) (2016/12/4)

 コミケ準備で油断しているすきにすごい動画が!正直リスニングはまだまだ苦手なので、一度聴いただけではわからないところが多いのですが、とりあえずわかった範囲の内容から一部を記録いたします。(聞き違ってたらごめんなさい(^^;))

まずはサンディエゴで行われた"Arrival"(邦題『メッセージ』)プレミア後の原作者Q&A。動画で見られるとは。チャンさんが見るのはこの時三回目、とのこと。

裏話もいろいろあって…まず、ご本人は映画向きの話とはまったく思っていなかったので、許可を求められたときは驚いたこと(これてインタビューでも語ってましたね)、そして脚本はいい反応を得たものの、何人かのプロデューサーから「主人公が男性なら」という要求もあったこと。そのへんは脚本・製作を担当したエリック・ハイセラー氏がこだわりをもって原作の設定を守ってくれたようです。
最終的にインディペンデント系のFilmnationが出資したのでパラマウントは配給のみであること、エイミー・アダムス(たぶん監督が第一候補にした、とのこと)が主演を決めてからパラマウントが配給を決めたこと(わかる気がする(^^;))、などなど。

映画にするにあたって変更がたくさんあるのは理解できたし、脚本の草稿を読んだら物語の本質的な感情の核はちゃんと保たれていて、それこそが望んでいたことだったこと、映画には大いに満足していること……などなど。お話聞いてると、一介の映画ファンの目線でも、一般的には無名の短編小説の映画化としては、かなり幸運な扱いではないかと感じます。製作者がよほど原作に惚れ込んでるのではないかしら。原作ファンとしては「だから最初から映画化なんて無理だと思ってたんだよー」なんてしたり顔の文句タラタラをせずにすみそうで嬉しいです。(笑)

…そうそう、二、三年のうちに次の短編集が出る、というお話も出てました。楽しみ❤



それと、ついでにYouTubeで久しぶりにお名前で検索して、すごいものを見つけました!8月に行われたワークショップで、"Story of Your Life and Others"(短編集『あなたの人生の物語』)の再版祝いとQ&A、その前にななんと新作の冒頭朗読しておられます!チャン氏の美声ファンとしては二重の意味でお宝動画!!(^^)/

後半では映画のタイトルが"Arrival"になったこと等、映画化にまつわる質問(ファンとしての心配?)も。それに対しては、小説の映画化で原作への忠実度がとやかく言われるようになったのは比較的最近で、『ジョーズ』や『ゴッドファーザー』でそんなことは言われてないよね?と言及。本に忠実にすることにこだわって、かえって映画として出来が悪くなることもあると。だから映画は映画で独立したエンターテインメントだと考えるようにしてみて、と答えています。大いに共感!(そのあと「そうしようと僕は努力してるから」と言い添えて笑いをとってますー(笑))

その他執筆プロセス等のお話はインタビューで何度か言及していることですね。あー、とかYou know、とかすごく多く挟んでて、いつも以上の訥弁になってる箇所も多々あるんですが…正確に答えようとしてるんでしょうね。(ルーパーのポッドキャストのときはリラックスした「おしゃべり」だったのでまた違いましたね)でも和やかでカジュアルな雰囲気で、笑いも随所に出ていました。それにしても未発表の新作、前述の短編集に入るんでしょうか。わくわく♪



映画はほんとに評判が良くて、ツイッターの公式アカさんをフォローしているので、俳優さんのプロモーション写真やなんかはけっこう見かけました。つい昨日はCritic's Choice Award (放送映画批評家協会賞、でしょうか?)で作品賞、脚色賞、監督賞、主演女優賞などなど主要10部門ノミネートとのニュースが流れてきました…原作賞ってのはないのね(笑)。でもこれマジですごくないですかっ!

でも日本公開は来年だし、ちょうどこの週末は東京コミコンでジェレミー・レナーが来日してたんですけど、アベンジャーズが眼目みたい?(仕方ないけど)…ともあれ、見るのが楽しみであります。ああ、早く見たい❤