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2012/11/30

『あなたの人生の物語』映画化のアナウンス

 Twitterで検索していてすごいニュースを拾いました。

『あなたの人生の物語』映画化のニュースです!一昨日あたり出たニュースのようです。珍しくここに載せるの早いですよ~(笑)

ツイッターで見つけた記事がこちら。
SF SIGNAL: Ted Chiang’s “Story Of Your Life” Comes to Film!

(※引っ越し時点ではリンク切れです)

上記の記事で紹介されている記事

Variety: Nic Mathieu to direct 'Story of Your Life'

記事によると、脚本がEric Heisserer、監督がコマーシャルディレクターのNic Mathieuとのこと。キャスト等はまだこれからのようです。IMDbにも関連ニュースとして掲載されていました。

News for Nic Mathieu: Shawn Levy to Produce Sci-Fi Thriller Story Of Your Life ほか

脚本担当で名前があがっているEric HeissererさんについてIMDbで調べてみたんですが…

エルム街の悪夢(2010)
遊星からの物体X ファーストコンタクト(2011)
ファイナル・デッドブリッジ(2011)

…と、ホラー系をやってこられた方のようです。ううむ。ちと心配になってきたぞ。(^ ^;)記事にもSFスリラーと書かれているんですが…す、スリラーかあれ…???けっこうエモーショナルな作品だと思ってましたが…泣けるし。(私がおかしい?読み直すか)

チャン氏はこれまでのインタビュー等を見る限り、映画・演劇はお好きな方らしいので、ご本人のコメントを読んでみたいです。(ちょっと検索してみましたが、今のところ見つけられません)

ただ、この作品の入っている短編集"Stories of your life and others"は、最初はご本人にとって不本意な表紙イラスト付きのハードカバーが出て(皮肉にも、SF SIGNALの記事に掲載されてるのはそのイラスト。たしかにひどい。本の中にこんなマッチョな巨人なんか出てきませぇん!(^^;))、その後チャン氏が自腹を切ってイラストレーターを雇い制作したという、ご本人の意向に沿ったイラストが表紙のバージョンがSmall Beer Pressから出版…という経緯があるので、作品の権利がどうなってるのかとか、どういういきさつでこの話が進んだのかとか、よけいなお世話ですが気になります。まったく今の時点ではわかりません。チャンさんご本人をきちんと通した話であることを祈ります。すばらしい作品が骨抜きになるのを見るのはいや。チャンさんの作品では特にいや。絶対いや。(^ ^;)

とりあえずプロデュースと脚本・監督のアナウンスだけのようですし、この段階からポシャることもたくさんあるので、ぬか喜びに終わらないことを、そして最終的な作品が原作に負けない良いものになることを(小説の面白さと映画の面白さは性質が違うので、必ずしも100%小説に忠実に、とはならないかもしれませんが、映画作品として良い脚色になることを)心から祈ります。

正直、『地獄とは神の不在なり』とかのほうが、視覚的にわかりやすくてドラマチックで映像化には向いていると思っていたのですが(もともと『ゴッド・アーミー』にインスパイアされたものだとおっしゃっているし)…あの概念てどうやって映像化するんだろう…でも監督がコマーシャル畑の人で未知数というのは、化けることがあるのでちょっと期待します。


【原作アマゾンリンク】

『あなたの人生の物語』収録の同名短編集日本語版と、
その原書・Small Beer Press版"Stories of your life and others"の
ペーパーバック
kindle版
(※引っ越し時追記:kindle版はなぜかSmall Beer Press版表紙のものが見つからないので、現在配信中のものにリンクしています)



2012/07/12

今までで一番面白いインタビューと クラリオンワークショップ進行中

 インタビュー

あ゛あ゛、記事を拾って、ページを3月に書きかけたままいろいろとあってとうとう7月!(^ ^;)先に日記のほうでご紹介したインタビューです。感想をまとめられないうちにまた夏コミ前の修羅場に入ってしまったのですが、Twitterでクラリオンワークショップ参加者さんのツイートとかリーディングの写真とか(写真つきでツイートしてるのがみんな女の子ということは、やっぱりそういう人気もあるんですよね?私ヘンじゃないですよね?こんな写真とか素敵じゃないですか?ていうかこの方本当に年とらないですね!(笑))

見ていてアップするのを我慢してると健康に悪い気がしてきたので、大急ぎでリンクだけアップします。まずはインタビュー。

Interview: The Lifecycle of Software Objects by Ted Chiang

今まで読んだチャン氏のインタビューの中では一番面白い!と思ったのですが、意外にもコメントがまったくついてなくて、なんだか奮起して怪しげな英語で書き込んでしまいました。その際に書いた下書きのみ、残しておきます。(コメントというより英語の練習を兼ねて自分の考えを確認するためにえんえんと書き出してみたもので、コメントとして投稿する前にばっさり編集しました(笑))

My impression on the interview
(2016/4/15追記・四年ほど経ち、多少は英語が上達したのか、今読み返すと見るに耐えないので(笑)リンクは削除します)

日本語でのご紹介と感想はまたあらためて時間をとれたら…。(ピーター・グリーナウェイ映画の音楽を聴いてマイケル・ナイマンにハマったとか、シンディ・ローパーのライブに行ったことがあるとか、なんだか親近感が湧く、ファンには貴重な(笑)情報も載ってておすすめです!)ほんとに面白いので、英語がお得意なチャンファンの方、ぜひコメントを残して差し上げてください!とくにインタビュアーさんの話題の選び方、ナイスです!

クラリオン・ワークショップ


今年のインストラクターを勤められているサンディエゴでのクラリオン・ワークショップもまさに進行中。故郷に錦を飾る(?)、ですね♪

Twitterの「#clarion」のタグで参加者さんがちらほらツイートしておられます。ご興味のある方は覗いてみては。(私はTweetdeckにこれの検索カラムを作りました!(笑))
「これからテッド・チャンのクラスに行くんだよん(と英語で)」みたいなことが書き込まれていて、うらやましくて仕方がないです!(笑)

クラリオンのサイトにも短いインタビューが載ってます。書かないけど文学に関係した仕事(教師や司書、編集者など)につくことで利益はあると思う?などなど、「書くこと」に興味を持っている社会人にとって興味深い話題も。いつもどおり合理的なお考えで頷けます。

しかしサンディエゴ、いいなあ。コミコンもあるし!(今週末にはホビットパネルにマーティン・フリーマンも参加するはず!)…いや、ワークショップご参加の方はそれどころじゃないでしょうけど…。たしかチャンさんはクラリオン・ワークショップのことを「SF作家のブートキャンプ」とかっておっしゃってましたよね。ということはチャンさん鬼軍曹役なのか…?(ソフトな感じの鬼軍曹ですね~(笑))

…あ、それから。"The Lifecycle of software objects"で、またもや日本の星雲賞にも選ばれたそうです。おめでとうございます♪賞レースには基本的にあまり食指が動かないほうなのですが、こういうことがあるとまた来日してくださるかなあ❤とか希望が持てるので(笑)嬉しいです。

しつこいようですが、朗読会してほしいです!あの、こっそり身内でとかでなく、きちんとした会場とって、告知もしていただいて。お金とっていただいてぜんぜんかまいませんので。ていうか音源売ってくれたら買います!買わせてくださいっ!(笑)

2011/11/26

ヴィクトリアンな機械の乳母 "Dacey's Patent Automatic Nanny"

 くう、これはGoogle alertは拾ってくれませんでした。たまたまツイッターで検索かけて知りました。今年の七月に出ていたアンソロジー"The Thackery T. Lambshead Cabinet of Curiosities: Exhibits, Oddities, Images, and Stories from Top Authors and Artists "に収録されている作品です。
(すぐ読みたい方はKindle Edition をどうぞ!kindleがなくとも無料アプリをダウンロードしてPC等で読めます。購入ボタンのエリアにある"available on your PC"から説明が読めます)

本全体が、架空のDr. Thackery T. Lambsheadなるイギリス人の死後に遺された、奇妙なコレクションをご開帳・・・という趣向のようです。テッド・チャンの名前だけで買っちゃいましたが、本全体が面白い仕掛けみたいです。文章作品だけじゃなくてアートもたくさんありました。チャン氏以外に私でもわかるところでは、コミック関連で『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』『ウォッチメン』などのアラン・ムーアや、『ヘルボーイ』のマイク・ミニョーラの名前も!

自分はKindleで読んだんですが、アートを堪能するには、Kindle本体よりKindle for PCとか画面の大きいデバイスで見たほうがいいかもしれません。自分もこれからPCで見るつもりです。もちろんハードカバーの実物だともっといいでしょうけれど・・・(マウスオーバー辞書に慣れて紙の洋書にはなかなか手が出なくなりました・・・(^^;))

チャン氏の作品は"Dacey's Patent Automatic Nanny"。十九世紀末~二十世紀始めのイギリスでの珍発明にまつわる物語でした。レトロに『デイシーの機械仕掛けの乳母』・・・とでも訳したらいいでしょうか。コレクションの由来の解説という趣向なので、クレジットは"documented by Ted Chiang"。しかもオハイオの国立心理学博物館で開かれた展覧会のカタログから、となっています。挿画として、Automatic Nanny発売当時の広告なるものまで載っています。これが「いかにも」な出来ばえ!遊びが凝ってます!(笑)

・・・なぜこれが発明されたのか、そしてどんな経緯でDr. Lambsheadのコレクションに加わったのか・・・という物語で、短いおかげもあって、スッと引き込まれて読めました。"The Lifecycle of software objects"に引き続き子育てネタ(?)でした。(と簡単に言い切れるものでもないですが)

ショート作品ですがジワンと余韻がありました。前回ご紹介した記事で書かれていた、科学の巨視的なテーマと人間の個人レベルのテーマは、両方一つの作品で扱うことができる、という主張のモデルケースのような作品になっています。(チャン氏の作品はたいていみんなそうですね)

それと、前半
の描写がけっこうユーモラスに感じられたのが新鮮でした。テッド・チャンの作品を読んでて声出して笑ったのは初めて。(笑ったというか、何度か吹き出してしまいました)

いかにもヴィクトリアンな発明者の考え方とか、オートマチック乳母に投げられた子供の名前がナイジェル・ホーソーン(※)だったりとか…。途中までは「もしかして、初めて読むコミカルなテッド・チャン?」と思ったくらいです。(自分の勝手な読み違いだったらスミマセン。ここのところブリティッシュ・ジョークに触れる機会が多かったため、自分が勝手にそう感じただけで、ぜんぜんそういう意図はない描写なのかも・・・(笑))

英語の苦手な自分がすぐ読みきれちゃったくらい短いのですが、「人間への洞察」と「科学というプロセス」という二つのテーマが自然に解け合っていて、皮肉に走ることなく、大きな視野でありながら底にかすかな暖かみのある・・・いつものチャン氏の持ち味が充分楽しめました。ヴィクトリア朝もの(シャーロック・ホームズ)に浸かっていてテッド・チャンのファン、という身には二重に嬉しい趣向でもありました。

   *   *   *   *   *   *   *   *   *

ナイジェル・ホーソーン(Nigel Hawthorne: 1929-2001)は、イギリスの俳優です。アチラでは名優扱いですが、日本ではとくに有名でもないと思います。 今回はたまたま、個人的に今萌えている小ピット(18~19世紀のイギリス首相William Pitt)がらみで、ホーソーン主演の『英国万歳!』という映画にチェックを入れたところだったので、「高齢の名優」「機械の乳母に投げられる赤ちゃん」というイメージのギャップで吹き出してしまったのでした。(映画は日本ではDVDになってなくて、地団太踏んでるとこです!ルパート・グレイヴスも出ているらしくて、ああ見たいっ!(^^;))

2011/11/03

Introduction to "Particle Theory"

 Strange Horizonsという、SF・ファンタジー関連のアート、コラム、フィクションなどのコンテンツを無料で提供しているウェブサイトに、テッド・チャン氏が旧作紹介の文章を書いていました。リンクはこちらです。

Introduction to "Particle Theory" by Ted Chiang

作品はエドワード・ブライアント( Edward Bryant )という方の "Particle Theory"。1977年に出版された作品だそうです。本文もこのサイトでもちろん読めます。(紹介文のあとに本文へのリンクがあります)

紹介文を読んでみたら、興味がわきました。

それによると、SFの読者とメインストリームのフィクションの読者は、互いのジャンルを批難する…メインストリームのフィクションは私的なテーマ(たとえば「私は良い親になれるのか?」)にこだわりすぎるという理由で批難され、そしてSFは私的なテーマに注意を払わなすぎるという理由で批難される。

でも、SFが扱う(ことを期待されている)大きなテーマ…たとえば「帝国の崩壊」や「科学上の発見」…と、普通のフィクションで扱うことが期待されている私的なテーマ…たとえば「結婚の失敗」や「私は良い親になれるのか?」…は、決してジャンルにへばりついているものではない。両方を関連させて作品のなかで同時に扱うことは、難しいけれど可能。それをチャン氏はエドワード・ブライアントの作品から学んだ…と。
(かなりはしょった意訳なのでご容赦くださいね)

…ここで言われていることは、まさに自分がチャン氏の作品に感じる魅力の根幹であります。当然紹介されてる作品を読みたくなりました。…でも、小説を英語で読むのは自分には時間がかかりすぎるので、とりあえず和訳がないかと検索して…みたんですが…。

結局見つけることが出来なかったので、とりあえず英文で挑戦しようかと思います。ううー、嬉しいけど…嬉しいけど…(一日50時間くらいほしいデス…あと、集中力のスタミナも!(^ ^;))