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2010/04/11

新作の予約受付

 いつのまにか、Amazonでテッド・チャンの新作『The Lifecycle of Software Objects』の予約受付が始まってました!いちおうリンクを。

→The Lifecycle of Software Objects  

7月31日発売ってかなり先ですが…。英文ではSF大会までに読み終えられないかも。ううう、翻訳だったらさっと読んで即行コピー本が作れるのに!(^ ^;)

余談ですが、「・・・objects」と聞くと、あたりまえのように「フライング・オブジェクト→UFO」と連想してしまう自分がナサケナイです。(笑)

2010/02/03

Stories of Your Life and Others再版と新刊準備情報

 アメリカの洋書の話ですが、二、三年絶版になっていたらしい"Stories of Your Life and Others"(『あなたの人生の物語』原書)が、今年10月にSmall Bear Pressから再版(というのかしら。出版社が変わりますけど)されるそうです。アナウンスはこちら。

→Small Beer Press - Not a Journal: Stories of Your Life

Small Bear Plessは、以前チャンさんのショートエッセイが掲載されてご紹介したZine、『Lady Churchil's Rosebud Wristlet』を出しているところで、日本でも著書が翻訳されている作家のケリー・リンクさん(と、たぶん旦那様?)が経営している出版社です。
今度はきっと、チャンさんの希望どおりの表紙で出るのでしょうね…。というのは、載っている画像が、チャン氏が最初のバージョンの表紙イラストがあまりにひどかったので(例の、なぞの巨人?の描いてあるもの。たしかに内容とまったく合ってなくてひどい!(^ ^;))、チャン氏が別に自費で、アイデアも出して発注したというイラストが使われた表紙だったからです。

イギリスなどではこのイラストが使われたそうですし、アメリカでもその後の刊行ではこのバージョンがあるのかもしれませんが…そのへんの出版社との攻防…(自費発注のイラストは拒否されて、「そこまで言うならイラストなしにするぞ」と言われたそうで…実際ロゴだけのバージョンが出ているんですよね。お~こわ。(^ ^;))…の印象があるので、良い状態で再版されるならほんとによかったな、と思います。

でも、そのへんを知ったときは、「泣き寝入りしない」姿勢に感銘を受けまして、見た目の「草食系」っぽさとはまったく違う、強い(でもある意味ナイーブな)内面を持ってる方だな、という印象を受けました。
(しかも相手はSFでは大手の出版社だったそうなので、よけいに…。まだ刊行一冊目の作家さんが、そういうことをするのはかなり勇気がいっただろうし、ものすごく傷ついたと思います。

…じつは自分も、ぜんぜん違うレベルですが、漫画の某大手出版社に投稿したとき、賞金の振込みを踏み倒されそうになったり(直接やりとりしていた編集者がいいかげんな人で埒があかなかったので、編集部の別の人に直接電話して解決し、それ以降はこちらから縁を切りました。もうあんなことはいやっ!(^^;))、別のところでは原稿を返してもらう約束を踏み倒されたり(こちらはそのままつぶれて音信不通になってしまったので、とうとう戻りませんでした…(怒))…とひどい目にあった経験があったもので、かなり同情してしまいました。

…水物商売はいずこも同じ…?なんてへんな割り切り方は、業界に失礼というものです。小さい出版社でも、ちゃんとしているところはちゃんとしていますから。
(ええと、ちなみに自分自身、漫画ではないですが小さい出版社の事務をしてました。著者への振込みや掲載誌・見本誌の献本発送を期日までに済ませる…みたいな「つまらない仕事」は、逆にできてあたりまえの、最低限の常識でした。著者が若かろうがお年寄りだろうが関係ありません。できてないとしたら、事務処理全般がルーズな会社だとしか思えません!会社の品格って、こういうところに表れるものではないでしょうか?)

…ちょっと激して話がずれてしまいました。すみません…。(^^;)
とにかく、すでに翻訳書で読んでいるので原書を買う必要は感じてなかったんですが、そういうこと(表紙にチャン氏のアイデアが色濃く反映されてるとか)なら、ほしくなるかもなあ…なんて思います。ミーハーとしては(笑)

(…Small Beer Pressのような、書き手が流通まで携わっているのって、なんだかいい形態ですね。同人誌のよさと商業誌のよさが両方ありそうというか。作家の立場を心得ている方が運営しているなら信用できそう、というか。もちろん、水物な出版業と、精神的にクソぢからがいる(失礼(^^;))創作業を両立するのはすごく大変なはずで(同人誌は本質的にはやってることは同じですが、人を雇って会社として経営するとなれば、社会的責任もプレッシャーも、必要な労力もまったく違います)、やってる方にとっては外野が思うほど「イイ仕事」じゃないかもしれませんし、なんにつけ「やる人次第」ではありますが…。 でもやっぱり、ちょっぴり憧れてしまいます(笑))

・・・しかし、「この本のために今100ドル払うのはちょっと待った!10月まで待って16ドル払ってくださいね!」(ちょっと意訳(笑))なんて…中古の価格がかなり高騰しちゃってるんですね。
中古でいくら値が上がっても作家さんにはまったく還元されませんから、やはり再版のほうがいいですね。読み手だって無駄に高い買い物しなくてすみますし。

あと、新刊のほうは、Subterranean Press.に原稿を渡したところ、みたいなことが書いてあるので、こちらも今年あたり出そうですね。Subterranean Pressは、たしか"The Merchant and the Alchemist's Gate"を出したところですよね。長めの話…というのは、きっと韓国で抜粋を朗読したという"The Lifecycle of Software Objects"のことでしょうね。うわあ楽しみ!でも、長めの話を原書で読む自信はないなあ…
日米同時刊行、くらいできませんか。ハヤカワさん!
(切に願います!(涙目))

2010/01/25

SFマガジン2010年3月号 テッド・チャン インタビュウ 感想

 というか、読んで頭をよぎったことをつらつらと。内容のご紹介にはなってないような。なんか散漫ですみません…。(^^;)

関係ないですが、なんで「インタビュー」じゃなくて「インタビュウ」という表記なんだろう?ワールドコンのときもそうでしたね。


*     *     *


…とくに新しいテッちゃん情報、というのは少なかったようですが、お話はどれも興味深かったです。韓国でやったという講演会、日本でもやってくれないかしら。

( …インタビューは、質問部分だけが「ですます調」に翻訳されてるので、タメ口で答えてるチャンせんせがエラそうに見えました(笑)。実際はたぶんタメ口同士のノリだったんでしょうね。(英語ですし)まあそれはどうでもいいとして…)

●ペンローズ
ほっとひと安心(?)したのが、ペンローズの主張(人間並の意識をもったAIは作れない)は正しいとは思っていない、と断言していたこと。いや、書いた作品から推測して、賛同しているはずがないとは思っていましたけれど。・・・『息吹』のインスパイア元のひとつとしてペンローズの『皇帝の新しい心』をあげていたんですが、インスパイアされたのはそのなかのエントロピーに関する議論、だけでした。
テッちゃんせんせ自身のAIについての考え方が細かく聞けなかったのは残念。どうも、そこを話すと新作のネタばれになっちゃうみたいですね(笑)。新作読むのが楽しみです。

この、ペンローズのエントロピーの議論がインタビューで出ると予告があったので、「そこんとこだけでもちらっと予習しとこうかな」と図書館で『皇帝の・・・』を借りたのですが・・・。私には「ちらっと」拾い読みできるようなシロモノではなくて(笑)、最初のほうはがっつり読むはめになりました。そのあとズルをして、結論ぽいところを読んで、あとは面白そうなところに戻って…読もうとしたんですが、結局時間切れでエントロピーのところは読めないまま返却しました。でも要旨はインタビューのほうで話してくれてるので、予習は不要でしたね。

●ここはほとんど『皇帝の新しい心』の感想です(^^;)
…『皇帝の新しい心』が読みにくかったのは、扱ってるもの自体がメンドクサイのももちろんあるんですが、(…今書くと後知恵みたいでいやなんですが)やはりペンローズの主張自体があまりなじめなくて・・・。 というか、「今のコンピューターと人間は考え方が違う」「将来、意識のあるAI はできない」イコールでない気がするんです。また一方で、「アイデアとしては可能」と「実際に作られるかどうか」もかなり別に感じられます。そこは科学技術と同時に、やっぱり経済とか、人類そのもののメンタリティーとかの話になってくると思うんですが(単純に、今の経済形態では、お金が流れこむ必然性がないとたいていのものは実現されないから)。でも経済がらみになると、SF・科学ネタの俎上には乗りにくいんですよね。経済を含んだ視野で、「意識をもった人工知能が必要とされるだろうか?」「必要とされるとしたら、どんな、どの程度の意識が求められるんだろうか?」…とか、「違う経済形態のもとではどうなるだろう」とか考え出すと、けっこう面白い気がします。

…とにかく、『皇帝の新しい心』を読んだときは、自分の興味が「人間の意識そのものについての仮説を聞くこと」にあったので、現代科学のいろいろ難しいレクチャー大会、みたいだったのが、ちょっと肩すかしな感じがしたんですね。それぞれのレクチャーが、主張の部分とどうつながるのかが見えにくくて。(肩すかしのわりにはものすごく時間かけて真剣に読まないと理解できないし(^^;))うーん、アタマのスタミナが不足でした。残念。やっぱり読むとしたら、図書館借りじゃなくて手元に置いてじっくり、のほうがいい本みたいですね。(高いけど…洋書だと安いのになあ!この高さのせいで読者にとって「へんな価値」までついちゃってるんじゃないかしら)

でも、冒頭のアルゴリズムについての解説は、二進法の暗号化(?)部分もいちいち解読しながら読んだおかげで、「コンピューターの「考え方」は人間とは違うし、コンピューターはけっして「頭がいい」わけではない」というのがすごくよく理解できました。ほかの部分も真剣に読むと得るところが大きそうなんですが、私にとっては教科書を読むのに近い感じが(^^;)。根本的に主張の違う(つまり「人間並のAIは可能」派の)別のポピュラー・サイエンスを読みだしてしまい、そっちのほうがおもしろいし扱われているトピックも最新なので、ちょっと今のところ再読はなさそうです。興味がマイクロチューブル(その後ペンローズが立てた仮説で、脳内の意識のありかとして出てくるモノ)で止まってしまいました…。

(ここではたと思ったんですが、「賢い」「人間みたいな意識をもってる」イコールなんだろうか?人間は矛盾を内包するものだから、「人間並の意識」って必ずしも「賢く」ないような気がする・・・)

●コンピューターと、今の小学校の算数
…そういえば…となぜか思い出しちゃったんですが、以前、小学生の子供がいる友人から「今の算数の教え方って私たちのころと違うんで驚いた」という話を聞きました。私たちから見ると「そんなことやったらかえって面倒じゃん!」なんですけど、聞いた印象としては、「手順の数を増やして、一つ一つの工程でやることはすごくやさしくしている」・・・という感じでした。

これって、コンピューターにやらせてることと近いんではないかと。つまり、今のお子さんたちは、「古典的コンピューターのアルゴリズム」的な考え方を身につけるように教育されているんではないかと。これを当たり前として大きくなると、彼らにとって将来コンピュータープログラムを書くのはすごく簡単なんじゃないかな。似たような「思考回路」が形成できているから。今の私たちだと、「人間型」で考えてる行程を分解して、「コンピューター型」の思考・・・アルゴリズム・・・で表現できる単位ずつにまとめていく、という面倒な翻訳作業をしている感じがします。(プログラムの経験はありませんので、一般向け書籍から得た印象ですが)

ただ、それは将来も今の「古典的」コンピューターのやり方が続くと仮定しての話。もし人間の意識のあり方がもっと解明されて、それがコンピューターに応用されれば(当然されますよね)変わるかも。あるいは「意識」と「計算」は用途としてきっちり住み分けされるのかも。
(今話題になってる「量子コンピューター」は、一般向け解説記事を読んだ限りでは、たんに「処理速度が飛躍的にあがる」だけのことで、コンピューターの「考え方」自体が変わるものではないようですよね…。もちろんこれから加えられる知識でアプローチが変わってくるでしょうけれど)

●・・・話をテッちゃんせんせに戻しましょう。
2007ワールドコンのインタビューでも言っていたことですが、シンギュラリティーを否定している、という話がまた出てきました。
(シンギュラリティーについては、Wikipediaの「技術的特異点」に解説があります)

シンギュラリティーといってもいろんなとらえ方が出来るみたいですが、これを「人間より賢い人工知能が出てきて人類は追い越される」みたいな、創作作品ではよく出てくる「おっかない」ものとして考えた場合(というか、私はそういうイメージなのですが)…それを否定しているのは、すごくの溜飲が下がります。(笑)

なにか新しい科学ネタのアイデアを得たとき・・・たとえばここで出ている例だと、「人間より賢いAI」というモチーフを得たとき・・・そのアイデアを元にして、できるだけダークで悲観的で戦闘的な、「おっかない」展開をいろいろ考えてみよう♪・・・というところで興じてるみたいなへんなバイアスを、今のSFというジャンルに感じるんです。まあ、単純に需要と供給なのでしょうが。(端的にいうとオトコノコ向けマーケット、ということがあります。真面目な未来予測とエンターテインメントは市場が違うので、そのへんは割り引く必要があると思います
・・・シンギュラリティーの「おっかない」タイプの概念も、私の目にはそのバイアスの落とし子の一つに見えます。科学の進歩や人間の進化を肯定的に描くのは時代遅れなんですね。流行といってしまえばそれまでですが、それに食傷してくると、これがなんとも窮屈に思える。中学、高校あたりではかっこよく思えましたけれど。

テッド・チャンの作品もダークな世界観のものはあるんですが、不思議とそういう窮屈さは感じません。むしろ解放感がある。視点が「今のSF」のバイアスを超えたところにある感じがするんです。仲間内でしか通じない「流行の隠語」では書かれていないというか。そのへんが、パンピーとしては取っつきやすくて好きです。そして根本的なところに理性と美、あと色気(エロ気じゃなくて)があるんですよね。(笑)

それと、発表先は考えずに書く、という話も出てきました。これは創作としては理想的・・・。たしかアメリカの作家さんはエージェントを通して出版契約を結ぶらしいんですが、話を聞いてると、チャンさんはフリー(?)なのかな。(過去のいきさつをみると理解できるんですが、そういうやりかたが可能なのかどうか知りません)
締め切りをいいわけにしない姿勢。そういうあり方があり得るんだ、というのが、とても大事な情報です。(同人イベントでさえ「締め切り」扱いしている自分のなんと情けないことよ!(^^;))

…お好きな映画の名前がまた出ていました。未見作品なのですが、自分はあえて見なかった作品でもあります…(^^;)『パンズ・ラビリンス』はなんかイタそうな話っぽいので避けてました。(やっぱり「見るのがつらい映画でもある」とおっしゃってますね)いつか心が頑丈(?)な状態のときにでもトライしてみますかね。
『ヘルボーイ・ゴールデン・アーミー』はちょっと見てもいいかな、と思ってたので、機会があったら見てみようと思います。こちらは気楽に見られそうですね。(笑)


 ▶S-Fマガジン 2010年 03月号(Amazon)


2009/11/25

この圧巻を、ぜひ。/テッド・チャン『息吹』

 待ちに待ったS-Fマガジン1月号が発売になりました。テッド・チャン『Exhalation』の邦訳掲載号です!今回は先に初掲載時のアンソロジーを読むことができたので、個人的には再読でありますが、やはり最後の2ページくらいになると目が潤んでしまいました。喫茶店で読んでたので困りました。(笑)

作品についての紹介と感想は、前に読んだときに書いたので、そちらをご覧ください。
(→『Exhalation』感想)…このときは、未読の小説を英文で読むこと自体…ネットでしか読めないスラッシュや無料ネット図書館の拾い読みをのぞけば…初めてだったので、誤読を恐れていましたが、今回の邦訳を読むと「そのとおり」の話だったので、ちょっとホッとしました(^ ^;)。ただ、感想の中で「この作品がそれではないか」と書いているAIものは、今回の解説によると別の作品だそうで、もうすぐ完成するそうです)

とにかく芳醇な、端正な短編です。わずか13ページ。信じられない。ラスト2ページのイメージの圧巻ぶりと、同時に胸を締め付けられるある種の、感傷的感覚。でもこの感傷は内向きのじめじめしたものではなくて、夜に一人で星空を見上げて、それがあまりに広大なのを認識したときに感じるものと似ています。(だから感傷というのはちょっと違うかもしれないんですが、うまい言葉が見つかりません…前の感想を読み返したら、そちらでも感傷という言葉を使ってますね…ボキャブラリーが増えてないわけです…)

前にも引用しましたが、ここが心にダイレクトに響きました。(拙訳で失礼します)

そのようにして、私はふたたび生きる。あなたを通して。

…SFに限らず、小説読書量自体が少ない自分は、常にそちら方面にアンテナを張ってるわけではないので、テッド・チャンの作品を知るチャンスを得たのは偶然の幸運です。そんな私なんぞがおすすめと言うのは僭越で気が引けますが、逆に言うと「SF読み」でなくとも引きずり込まれる作品なのだと思います。

そんなわけで、ジャンルの枕詞なんかいらない、普通に(?)珠玉の作品だと思うんですが、「SFならではの作品」とよく評されているんですよね。そのへんが自分にはよくわかりません…。あてているものさしが自分用すぎるのか、あるいは「SFでない小説」というものが、よくわかってないのかもしれません(笑)。でも、よくチャンと並び称されるSF作家のグレッグ・イーガンの作品は、私の目にはまったく印象が違いました。…なので、「…が好きな方におすすめ」という勧め方が、私にはできません。

でも、 この美しい圧巻、機会があったらぜひぜひ多くの方に味わっていただきたいです。
…この号はSFマガジン自体の五十周年記念号でもあります。(今月は海外SFで、来月は国内SFの記念号になるらしいです)…すごい。私の生まれる前からあるんですね、SFマガジンて。まあそのおかげで今月号は高くて、正直びっくりしましたが(笑)、その巻頭を飾るのがテッド・チャンというのが嬉しい!そしてそのほかの現在の代表的作家さんの作品と、過去の傑作再録も載っていて豪華です。私のような「SFはそこそこ好きだけど量は読んでない」なまぐさ者には、一気に視野を広げてくれそうな(?)一冊です。他の作品もこれからゆっくり楽しもうと思います。…レトロSFのビジュアルが好きな自分としては、創刊号の表紙イラストを紹介したカラーページも魅力的です。あ、グラビアでは海外作家さんの祝辞と写真も載っていて、テッちゃんせんせのもあります!横浜でのワールドコンに触れていて、ちょっと嬉しいです。(笑)

…今回のチャン作品の解説に、イメージソースとなった本が書かれていて興味深かったです。二つあるうちのひとつ、フィリップ・K・ディックの『電気蟻』というのは読んだことないので、探して読んでみようかと思いました。もう一方はロジャー・ペンローズの『皇帝の新しい心』!・・・ペンローズさんは、ここではまだ話題にしたことが(たぶん)ないのですが、じつはここ数ヶ月くらいちまちまと調べている事柄に関連して、何度も出会った名前なんです。で、しょーがないので(?)先月『ペンローズの“量子脳”理論』というのを買ったばかり。関係書籍のなかでは文庫で比較的安かったので…。(←しかも拾い読みしただけで放置中…(^ ^;))

『皇帝の新しい心』は気になってるのですが、ぶっちゃけあまりに高いので避けたんです…。(だって7770円て…(^ ^;)みすず書房の本て面白そうなのばっかだけど高すぎる~っ!デフレの波は本には及んでくんないのか!?「みすず文庫」とか廉価にしてくれたらじゃんじゃん買いたいんだけど~!(泣))

でもテッちゃん先生が読んだのなら…読もう。読むわ。高いけど。それに私には難しそうだけど。そしてやっぱり高すぎるけど。…図書館にもあるので、買えなかったらそのエントロピーの話のとこだけでも…。

(…感覚としては…ミスドでコーヒー飲んだ次の日に、大好きな大食い芸能人のブログに「昨日ミスドでエンゼルクリーム20個食べちゃいました♪」と書いてあるのを読んで、「うわ、ミスドに行ってたのは同じだ♪」と喜びつつ、「次はエンゼルクリーム食べよう!(20個は胃にも財布にも無理だけど)」…と密かに決意する…みたいな…感じ…かも。←すいません、ひどすぎました(^ ^;))

しかし…そうか、エントロピーか。初回に読んだときにはその単語で思い浮かべはしませんでしたが、イメージはたしかにそうですね。知識が豊富だと、たぶんアナロジーとしてのイメージの重奏・・・の、「音数」が、やっぱり増えるんでしょうね。でも、特定のアナロジーとして読まなくとも充分、というか、別の切り口で感動できました。ちゃんと描写してくれているので、そこを読みとれば充分なんです。そしてなによりそのイメージが、脳に快楽を与えるという意味で、美しいのです。…その美しさの基盤が(具体的なアナロジーを思い浮かべなくとも感じられるくらいに)堅牢なので、感傷的な感覚にも安心して浸れるというか。そのへんの「さじ加減」・・・堅牢で美しくてハイブロウなのに、読者の知識量に依存しない品の良さが…そしてそれを成立させられる密度が、読者に伝えることができる力量が…やっぱり飛びぬけているんでしょうね。

…ちょうど先々週ある本を読んでいたとき、エントロピーの話が織り込まれてて、ちょっと自分のもっている「おおざっぱなエントロピー」のイメージではとらえきれなかったので、きちんと知ろうといろいろ漁っていたところなんです。ペンローズの本での、そのへんのことについても触れるらしい、テッちゃんのインタビューは、今号でなく次々号に掲載されるらしいですね。お話についていけるように、それまでに予習しとこう・・・。

(最近は以前にも増して本を読む速度が遅くなったので、必死こかないと間に合わないかもしれません。コミケもあるし…!私の脳も「気圧が」下がってるみたい…ってバカなこと言ってる場合じゃないかも…(^ ^;))