来年5月・新刊短編集発売予定
テッド・チャンさんの新刊短編集が来年5月に発売されるとのこと。先月あたりからAmazon等で予約受付を見かけるようになりました。去年か一昨年あたりのワークショップで言及されていた短編集、たぶんこれですね。
新作は2本含まれているようです。表題作になっている"Exhalation"は個人的にも大好きな一本で、以前SF大会で生け花展示のテーマにさせていただいた思い出深い一作でもあります。装丁も素敵ですね。楽しみです❤
文学イベントふたつ
こちらは終了したイベントですが、8月末から9月の始めにかけて開催された Melbourne Writers Festival 、WORD Christchurch、という2つの文学イベントに参加なさったようです。それぞれオーストラリアとニュージーランドのイベントです。例によって事前にチケット情報など流れていましたが、行けるものでもないので(^^;)事後情報など出るのを手ぐすね引いて待っておりました。記事へのリンクやイベントでの発言・写真のツイートなど拾えたものを記録として貼らせていただきます。シェアしてくださった皆様に陰ながら感謝を。いやー、ネットありがたいです❤
My terrible photo of the very not terrible Ted Chiang and @kldwarsame at @greaterdandy library as part of @MelbWritersFest #mwf18 pic.twitter.com/Qexo8qNmBg
— Gene Smith (@grj_smith) 2018年8月29日
“Just because the world doesn’t care about you, doesn’t mean you shouldn’t care about the world” - Ted Chiang at @MelbWritersFest #mwf18
— Gene Smith (@grj_smith) 2018年8月29日
↑「世界があなたを気にかけないからといって、
あなたが世界を気にかけるべきではない というわけじゃない」
――テッド・チャン メルボルン・ライターズ・フェスティバルにて
↑文脈によりけりなのでガタガタした直訳ですみません。 推測でもう少し意訳すると、
「あなたが今どういう状況にいるとしても、 世界への関心を失うべきじゃない」
的なニュアンスでしょうか。 どういう流れで出てきた発言なんでしょうね。
Science fiction should make you examine the status quo - Ted Chiang at #WORDchch
— Will Harvie (@will_harvie) September 2, 2018
↑サイエンス・フィクションは、あなたに現状を深く考察させるものであるべきだ。
――テッド・チャン WORDクライストチャーチにて
Talking time travel with Ted Chiang, Whiti Hereaka and Michael Bennett @redsharkfilms @WORDChCh pic.twitter.com/gUAKD1jcTR
— Penguin Books NZ (@PenguinBooks_NZ) 2018年9月1日
WORD Christchurch: Arrival, with Ted Chiang https://t.co/3rN1Ee45jZ pic.twitter.com/TjLCcZFJnU
— Booksellers NZ (@BooksellersNZ) 2018年9月4日
↑クライストチャーチでのインタビューイベントのレビュー。
レビュアーさんにはあまり楽しくなかったみたいですね。残念でした。
でも「話し方がアカデミック」な訥弁なのは、自分にはかえって好印象です。(笑)
チャンさんの発言部分をはしょると、(以前にも話しておられたことですが)
――たいていの人のSFに対する認識はハリウッド映画のもので、善玉と悪玉が戦って
(悪玉によって乱された)元の状態を取り戻すというものだけど、
SFは元に戻すのでなく何かが変わって後戻りしない別の世界になるもの。
だから『マトリックス』(一作目)は好き――とのこと。
"I believe writing books is an act of manaakitanga - welcoming people into your world". I report back on #WORDchch's best named session "Timey-wimey stuff" with @whereaka, Michael Bennett and Ted Chiang. https://t.co/B8McH4Lsqz ^MT pic.twitter.com/wWQiUGiAGE
— Ngā Kete Wānanga-o-Ōtautahi (@ChristchurchLib) 2018年9月5日
↑ニュージーランドの作家whiti hereakaさん、Michael Bennettさんを交えた、
タイムトラベルをテーマにしたディスカッションのリポート。
以前ウェブで行われたタイム・トラベル・レクチャー
(紹介過去記事はこちら)でも 言っておられたんですが、
『クリスマスキャロル』や予言の物語は一種のタイムトラベルで、
運命は変えられない→変えられる、と(人々の考え方を反映して)変わってきた……
という興味深いお話。そしてオーディエンスからの 質問に答えて、こんな発言が。
「趣向としてのタイムトラベルは、ストーリーの見地から見れば
『どんな容器に入れようとその容器を溶かしてしまう万能の酸』。
時間をさかのぼってやり直すことで、主人公の問題はあっというまに解決できてしまう。
そのために、タイムトラベルの物語は通常「ルール」か制約を適用して、
簡単な解決が起こらないようにしている。
そしてこれらの制約は、厳密な吟味には耐えないこともあり得る――
ストーリーを語るために、少しの間不信感をとめることを目指しているだけだから」
加えて、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を
「スイスの時計みたいな(精密な)プロット」で好きな映画として挙げておられます。
こういう親しみやすい映画の名前を挙げてくださると、映画好きとしてはちょっと安心します❤
もっと映画のお話聞いてみたいなあ……。