2011/11/26

ヴィクトリアンな機械の乳母 "Dacey's Patent Automatic Nanny"

 くう、これはGoogle alertは拾ってくれませんでした。たまたまツイッターで検索かけて知りました。今年の七月に出ていたアンソロジー"The Thackery T. Lambshead Cabinet of Curiosities: Exhibits, Oddities, Images, and Stories from Top Authors and Artists "に収録されている作品です。
(すぐ読みたい方はKindle Edition をどうぞ!kindleがなくとも無料アプリをダウンロードしてPC等で読めます。購入ボタンのエリアにある"available on your PC"から説明が読めます)

本全体が、架空のDr. Thackery T. Lambsheadなるイギリス人の死後に遺された、奇妙なコレクションをご開帳・・・という趣向のようです。テッド・チャンの名前だけで買っちゃいましたが、本全体が面白い仕掛けみたいです。文章作品だけじゃなくてアートもたくさんありました。チャン氏以外に私でもわかるところでは、コミック関連で『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』『ウォッチメン』などのアラン・ムーアや、『ヘルボーイ』のマイク・ミニョーラの名前も!

自分はKindleで読んだんですが、アートを堪能するには、Kindle本体よりKindle for PCとか画面の大きいデバイスで見たほうがいいかもしれません。自分もこれからPCで見るつもりです。もちろんハードカバーの実物だともっといいでしょうけれど・・・(マウスオーバー辞書に慣れて紙の洋書にはなかなか手が出なくなりました・・・(^^;))

チャン氏の作品は"Dacey's Patent Automatic Nanny"。十九世紀末~二十世紀始めのイギリスでの珍発明にまつわる物語でした。レトロに『デイシーの機械仕掛けの乳母』・・・とでも訳したらいいでしょうか。コレクションの由来の解説という趣向なので、クレジットは"documented by Ted Chiang"。しかもオハイオの国立心理学博物館で開かれた展覧会のカタログから、となっています。挿画として、Automatic Nanny発売当時の広告なるものまで載っています。これが「いかにも」な出来ばえ!遊びが凝ってます!(笑)

・・・なぜこれが発明されたのか、そしてどんな経緯でDr. Lambsheadのコレクションに加わったのか・・・という物語で、短いおかげもあって、スッと引き込まれて読めました。"The Lifecycle of software objects"に引き続き子育てネタ(?)でした。(と簡単に言い切れるものでもないですが)

ショート作品ですがジワンと余韻がありました。前回ご紹介した記事で書かれていた、科学の巨視的なテーマと人間の個人レベルのテーマは、両方一つの作品で扱うことができる、という主張のモデルケースのような作品になっています。(チャン氏の作品はたいていみんなそうですね)

それと、前半
の描写がけっこうユーモラスに感じられたのが新鮮でした。テッド・チャンの作品を読んでて声出して笑ったのは初めて。(笑ったというか、何度か吹き出してしまいました)

いかにもヴィクトリアンな発明者の考え方とか、オートマチック乳母に投げられた子供の名前がナイジェル・ホーソーン(※)だったりとか…。途中までは「もしかして、初めて読むコミカルなテッド・チャン?」と思ったくらいです。(自分の勝手な読み違いだったらスミマセン。ここのところブリティッシュ・ジョークに触れる機会が多かったため、自分が勝手にそう感じただけで、ぜんぜんそういう意図はない描写なのかも・・・(笑))

英語の苦手な自分がすぐ読みきれちゃったくらい短いのですが、「人間への洞察」と「科学というプロセス」という二つのテーマが自然に解け合っていて、皮肉に走ることなく、大きな視野でありながら底にかすかな暖かみのある・・・いつものチャン氏の持ち味が充分楽しめました。ヴィクトリア朝もの(シャーロック・ホームズ)に浸かっていてテッド・チャンのファン、という身には二重に嬉しい趣向でもありました。

   *   *   *   *   *   *   *   *   *

ナイジェル・ホーソーン(Nigel Hawthorne: 1929-2001)は、イギリスの俳優です。アチラでは名優扱いですが、日本ではとくに有名でもないと思います。 今回はたまたま、個人的に今萌えている小ピット(18~19世紀のイギリス首相William Pitt)がらみで、ホーソーン主演の『英国万歳!』という映画にチェックを入れたところだったので、「高齢の名優」「機械の乳母に投げられる赤ちゃん」というイメージのギャップで吹き出してしまったのでした。(映画は日本ではDVDになってなくて、地団太踏んでるとこです!ルパート・グレイヴスも出ているらしくて、ああ見たいっ!(^^;))

2011/11/03

Introduction to "Particle Theory"

 Strange Horizonsという、SF・ファンタジー関連のアート、コラム、フィクションなどのコンテンツを無料で提供しているウェブサイトに、テッド・チャン氏が旧作紹介の文章を書いていました。リンクはこちらです。

Introduction to "Particle Theory" by Ted Chiang

作品はエドワード・ブライアント( Edward Bryant )という方の "Particle Theory"。1977年に出版された作品だそうです。本文もこのサイトでもちろん読めます。(紹介文のあとに本文へのリンクがあります)

紹介文を読んでみたら、興味がわきました。

それによると、SFの読者とメインストリームのフィクションの読者は、互いのジャンルを批難する…メインストリームのフィクションは私的なテーマ(たとえば「私は良い親になれるのか?」)にこだわりすぎるという理由で批難され、そしてSFは私的なテーマに注意を払わなすぎるという理由で批難される。

でも、SFが扱う(ことを期待されている)大きなテーマ…たとえば「帝国の崩壊」や「科学上の発見」…と、普通のフィクションで扱うことが期待されている私的なテーマ…たとえば「結婚の失敗」や「私は良い親になれるのか?」…は、決してジャンルにへばりついているものではない。両方を関連させて作品のなかで同時に扱うことは、難しいけれど可能。それをチャン氏はエドワード・ブライアントの作品から学んだ…と。
(かなりはしょった意訳なのでご容赦くださいね)

…ここで言われていることは、まさに自分がチャン氏の作品に感じる魅力の根幹であります。当然紹介されてる作品を読みたくなりました。…でも、小説を英語で読むのは自分には時間がかかりすぎるので、とりあえず和訳がないかと検索して…みたんですが…。

結局見つけることが出来なかったので、とりあえず英文で挑戦しようかと思います。ううー、嬉しいけど…嬉しいけど…(一日50時間くらいほしいデス…あと、集中力のスタミナも!(^ ^;))

2011/07/31

"Time Travel Lecture" Ted Chiangパート・やっと聴けました(^ ^;)

 オンライン講演"Time Travel Lecture"の録音&スライドのムービーファイルの提供が始まりました。(チケットを買った人全員にアクセス権が保証されてました。これでリアルタイムに聞けなくてもOKだったわけです)

さっそくライブでは聞き損ねたチャンせんせのレクチャー部分を拝聴…うは、自作の解説なんてものではなかったですね。出てきたお三方の中では一番「レクチャー」っぽかったです。

タイムトラベルについて回る「過去・未来は変えられるか?」「自由意思と運命」といったトピックを、神話の予言やクリスマス・キャロルから、ワームホールを使ったタイムトラベルまでを例にとりながらレクチャー。スライドも数枚。(カートゥーンもありました)
予言がこの範疇に入るとは気付かなかったし、ディケンズの名前が出てくるなんて予想もしなかったです。たしかにクリスマスキャロルは一種のタイムトラベルだし、未来を知ってそれを変えようとする話でもありますね。

昔の人は運命を信じていて、今の人は自由意思を信じている。その、時間旅行に対する態度の変化が、作品の変化に表れている…と概観しておられました。これもたしかに…言われて初めて気がつくことがたくさんあって面白いです。ああ、もっときちんと聞き取れたらなあ。

今、三回聴いたところなんですが、最後のワームホールの話が歯が立ちません。キップ・ソーンらしき名前が聞こえたので、『商人と錬金術師の門』の「輪」にも使っているという概念の説明だと思うんですが、何度も出てくる数個の単語がどーしてもわからず…。(思いつくスペルで辞書引いてもヒットしない…トランスクリプト求む!(泣))

結論としては、このモデルでは過去に立ち会うことはできても過去を変えることはできない、ということらしいんですが…途中の理屈の説明がわからなくてくやしいです。タイムラインの説明図はよく見たら手書きじゃなくて、なにかから引用したものみたいでした。ソーンの仮説そのものを日本語で調べたほうが早そうです。

…とにかく、ファイルが手元にあるので何度か聴いて楽しもうと思います♪

イモヅルでいろいろ調べてたら、チャンせんせは8月6日にもトークイベントへの参加が決まっているようです。

Writers with Drinks-featuring Ted Chiang, Melissa Febos, and Lee Konstantinou to:
http://thebolditalic.com/events/3186-writers-with-drinks-featuring-ted-chiang-melissa-febos-and-lee-konstantinou-to-

こちらは「リアル」なので自分は見にいけませぬ。(涙)
他の参加者さんが知らない名前なのでちらっとAmazonで検索してみたんですが…ええと…元女王様とポップカルチャーをいじる文化評論系の学者さん???(ざっと見なので読み違えてたらスミマセン)
これにテッド・チャン氏って…すごいぞ、狙いがわからない度が。(^ ^;)

リンクをたどってお店の紹介ページを見たら、なんか狭くて派手なライブハウスにテーブル席がついたみたいな、映画で良く見るスタンダップコメディーとかのショーもやりそうな感じ。なんていうんでしょう、こういう店。いきなり踊り子さんの写真があって面食らいました。(笑)お酒を飲みながら物書きさんのトークを聴く、みたいなイベントなのかなー。(あれ、チャンせんせって下戸ではありませんでしたっけ?)
なんでこーいう取り合わせなのか謎。というか、三人で話すのではないのかな?時間区切るとか?どんな話をするのか興味津々です。(まさか同姓同名の別人じゃないよな…?)

Writers with Drinks自体が、なんか地元の賞とか受けている評判の高い文学イベントらしいです。「8月6日はちょうどサンフランシスコにいるわ~♪」という幸運な方、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。(できたら内容教えてくださーい!)

2011/07/24

オンライン講演"Time Travel Lecture" (テッド・チャン、コニー・ウィリス他)感想

 ライブのオンライン講演"Time Travel Lecture"、視聴させていただきました!

講演者はテッド・チャンさん、コニー・ウィリスさん、SF評論家らしいエイミー・スタージスさん(日本語表記はこれでいいのかしら?)。司会はStarShipSofaのポッドキャストで聞き覚えのある声のトニー・スミスさんでした。(思いっきりイギリス人!って感じの発音で、ちょっと嬉しかったりする(笑))

あらかじめビデオうんぬんという話があったので、ライブ映像が流れるのかと思ってたんですが、ライブ音声とスライド(パワーポイント)の組み合わせでした。リアルタイムの発言者の名前は画面の下に瞬時に表示されてました。

最初は自分のアクセスがうまくいってなくて映像が見られないのかと思ったんですが、同じことを思った人がいたみたいで、スミスさんに質問してくれて、これでノーマルな状態なのだとわかりました。(マイクや電話で一般参加者もやりとりできるシステムなので質問ができるんですね。「挙手」のボタンとかあったりして、リアルなセミナーを再現してるみたいです)
そうか、講演者のみなさんもそれぞれの居場所からアクセスしていて、一堂に会しているんじゃないんですね。その分、地理的に離れてるメンバーを揃えられるわけだ・・・おもしろい形態だなー、オンラインて。(浦島太郎な気分です(笑))

しかし、なんか自分が時差の計算を間違ってたみたいで、少し早めにアクセスしたつもりがもう始まっていました・・・ちょうどチャン氏の講演パートの終わりの部分のようでした。(割り当て時間が最初だったらしい・・・(泣))なにか手描きのメモのスライドでタイムラインの説明みたいなことをやって・・・いたように見えました。たぶん『商人と錬金術師の門』に出てきたタイムトラベルの説明じゃないかと推測したんですが・・・この作品は時間旅行のメカニズムそのものがメインテーマではないですけど、リアルな物理学の裏付けがある設定らしいので。(・・・というか、チャン氏が書いたタイムトラベルものってあれしかないですよね・・・?)
せっかく作品を復習したばかりなのに、前半を聞き損ねて残念です。が、一週間後に録画・・・というより録音ですね・・・の視聴ができるらしいので、そちらに期待です。(聞きとれる部分がどれくらいあるかな・・・(笑))

コニー・ウィリスさん、エイミー・スタージスさんのパートでは、おすすめ作品の名前が矢継ぎ早に出てきたので、わかった範囲でメモとりました。スタージスさんのほうは、作品のスライドがすべて用意してあったので楽でした。小説は読んでないのばっかりです。(もともと小説の読書量少ないんで・・・(^ ^;))

ウィリスさんは映画の名前もだいぶあげていて、そっちは少しわかりました。映画・原作ともに好きな"Somewhere in time"(『ある日どこかで』)の名前も挙がっていたのが嬉しかったです。

最後に少しだけ質問コーナーがありました。チャン氏は過去を変えられるタイムトラベル(タイムパラドックスの問題の解消?)について、マルチバース(多世界解釈)を持ち出して、これなら過去に戻ってなんでもできる、ヒトラーも殺せるヨ(変更に応じて無限に別のタイムラインができるので)・・・みたいな話をしてました。

総じて、チャン氏は主にタイムトラベルの物理学的なアイデアについて、ほかのお二人は主に好きな時間ものの作品について話していたように思います。でもチャン氏の『商人と錬金術師の門』は、時間旅行のメカニズムよりキャラクターのドラマとか、アラビアンナイトの世界を再現した味わいが面白味になっている(というか、SF的なアイデアは完全に物語に融合していて目立たない)ので、物理学的な方面に説明が偏るのはちょっと的がずれてる感じがしましたが・・・。(単に自分の興味と違うだけか?)初めのほうを聞いてないので、そこで他の話もされたかもしれませんが。他の作家さんのおすすめ作品の話をしたのかどうかもわかりません。あったら読んでみたいですが。
(でも過去の経験では、好きな作家さん・漫画家さんのおすすめ作品が自分の趣味に合わないことってけっこうあるので、あまり関係ないかも・・・?)

それと、チャン氏はわりとあー、とかYou know、とか頻繁に挟みながら訥々と語る口調なので、逆に多少はついていけたんですが、ウィリスさんはめちゃくちゃ流暢(笑)に、しかも話題と連動したスライドなしでのお話も多かったので(スライドは主催者がつけたと思われる、ウィリスさん自身の作品の紹介画像のみ)、ほとんど聞き取れず、かなり損した気がします。自分の力不足とはいえくやしい!

質問などの関心は過去をいじることについて、パラドックスの処理についてなど、過去に行きがちみたいでしたが、ウィリスさんの指摘・・・初期のタイムトラベル作品ほど行く先が未来のことが多いというのも面白く感じました。たしかにそうですよね。「未来」を描くこと自体に重点があった時代なんでしょうね。今は興味の的が違うのを確かに感じます。未来像を見せるバリエーションは出尽くしちゃったのか、それともある種の閉塞感なのか?
過去を題材にすると、歴史小説的な面白さやパロディー要素も入れやすかったりして、またバリエーションが広がりますよね。書く側はリサーチが大変でしょうけれど・・・。

これまで知りませんでしたが、ウィリスさんはタイムトラベルものをたくさん書いてらっしゃるんですね。予習用に買ったものの読了できていない『犬は勘定にいれません』も、改めてきちんと読もう~っ、と思いました。(講演聞いてたら、他のを読みたくなっちゃったんですけど・・・(笑))

初めてのWebinar(ウェブでやるセミナー)体験でしたが、途中にちゃんとトイレ休憩もあったりして(二時間PCに貼りついていないといけないのかと思ってました!)、英語の聞き取りの障壁さえなければ(^ ^;))かなりリラックスして楽しめるものだったと思います。個人的限界で内容は断片的にしか聞き取れませんでしたが、チャン氏の美声もライブで聴けたし(笑)、けっこう楽しめました♪また似たイベントがあったらトライしてみたいです。つくづく、もっと英語がわかるようになれば、楽しめるものはたくさんあるんだよな~、と思いました☆

2011/07/17

"Locus"七月号インタビュー Ted Chiang: Scientific Method

 毎度ですが、グーグルアラートさまさま。

テッド・チャンせんせのインタビューが載っている『Locus』七月号のお知らせを拾ってくれました。下がチャン氏の記事の抜粋紹介ページです。(ラブリーな写真つき)

LOCUS on line "Ted Chiang: Scientific Method"
http://www.locusmag.com/Perspectives/2011/07/ted-chiang-scientific-method/

同じページから購入できるので、さっそくデジタル版を買ってみました。(これもペイパルで500円足らず。円高さまさま(笑))デジタルの雑誌を買うのって初めてなんですが、こういうものなんですね…。とりあえずkindle版とPDFをダウンロードしてみました。(他にe-pubとかもありました)PDFのほうが写真がカラーで見られたりして「雑誌を読んでる感」があります。kindleは手軽に持ち歩けるのと、Text-to-Speach機能で音読させたりもできるので、英語教材として活用します~。(笑)

まだ冒頭をちらりと見ただけなんですが、最新作"The Lifecycle of software objects"を書いた動機の一部として、これまでのSF作品でのAIの描き方に対して不満があった…というところから始まっているので、チャン氏流の人工知能談義が読めそうです。解読(笑)したら改めて感想を書きますね。

日記のほうに書きましたが、今週末のオンラインレクチャーにも申し込んでみました。慌てて英語の勉強(一週間しかないですけど?)とか付け焼刃をしてるところなのですが、ちょうどいい宿題ができてしまいました。(笑)

2011/06/28

オンライン講演Time Travel Lecture

 グーグルアラートより。7/23(時差あり)にタイムトラベルをテーマにしたレクチャーをなさるそうです。テッド・チャンさんのほか、コニー・ウィリスさんと、もうお一方(すみません、自分はお名前を存じ上げない方です)も一緒になさるようです。主催者さんの名前にワークショップと入っているので、創作志望者向けの講演でしょうか。うわー面白そう…♪

有料ですがオンラインでライブ…ということなので、日本からでも視聴できるのだと思います。英語の聞き取りに自信のある方はぜひ…視聴して内容を教えてください…。(自分は通訳さんなしではとても無理そうです…ダメもとでトライしてみようかなあ、という気もしますが…ううう、どこかで字幕つきの映像流してくれないかなあ…(^ ^;))
チャンせんせの新作はしばらく待たなきゃいけないようですが、海の向こうではイベント露出目白押しでうらやましいかぎりですね。

リアルタイムで視聴できない方は録画を視聴できるようです。詳しくはリンク先をご参照くださいませ。(チャンせんせの写真がちょいと男前(笑)。コニー・ウィリスさんはずっと昔に『わが愛しき娘たちよ』を読んだ覚えくらいしかないのですが、こういう方だったんですね…活字だけで認識していた方のお顔を拝見すると感慨が…!)

http://www.eventbrite.com/event/1557531619
(※引っ越し時点ではリンク切れです)

2011/06/07

SFWA Pacific Northwest Reading Series

 グーグルアラートから。今夜(時差があるので明日?)、ポートランドでナンシー・クレス、テッド・チャン、アーシュラ・ル・グウィンによる朗読イベントがあるそうです。豪華ですね!

最新作を読むようなので、チャン氏は"The Lyfecycle..."ですかね。ああ、横浜のワールドコンで美声を聞いてから、ずーっと聴きたいと熱望しているチャンせんせによる朗読…今夜あるのかあ…。でもこんな情報知っても口惜しいだけじゃん!(くっすん)

…というわけで、日本ではあまり役には立たない情報ですが、一応情報ページを貼っときますね。

http://www.sfwa.org/for-readers/sfwa-northwest-reading-series/

映像をYoutube にあげてくれるとか、ポッドキャストの音源にしてくれるとかの形でシェアしてくださる方がいるといいですね。そこに希望を。

日本でもやってくれないかな~やってくれないかな~やってくれないかな~……((^ ^;))

2011/04/23

"Karen Burnham and Ted Chiang In Conversation"

 グーグルアラートが最近拾ってくれた音源です。電話の録音(?)みたいですが音質はクリアなので、話されてる話題と単語(^ ^;)に馴染みがある方には聞き取りやすいと思います。前半の訥々とした語り口は横浜のワールドコンのときをホーフツとさせます。

Locus Online: Karen Burnham and Ted Chiang In Conversation

けっこう長いですが、話題はグレッグ・イーガンさんの作品について~AIについて~クローン育成のコストについてなど。残念ながら自分はイーガンさんの作品はほとんど読んでないので、そこの話題にはついていけず、聞き取れる範囲の単語から内容を推測するにとどまりました。(トランスクリプト求ム!(^ ^;))

AIやクローンの話になると、例えにスターウォーズのクローン軍団(たぶん)やスタートレック(二作目のThe Next Generation)のアンドロイドのデータ君が出てくるので、ところどころは私でもついていけました。スターウォーズのクローン軍団はたしかジャンゴ・フェットというすごく戦闘能力の高い人のクローンを大量に作って、それで最強軍団を作るって設定です。そーいう戦闘に向いてる人間を大量に、しかもクローンで…というあたりに、「アグレッシブな十万人の子供なんて、誰が面倒見るの?」みたいなツッコミが入ってました。(笑)

むかーしの「クローン」て、コピー元の年齢のまま、記憶も受け継いで作られるイメージでしたよね。(ルパンのマモーとか)その頃に作ってしまった設定なんじゃないですかね。 …どの遺伝子が発現するかわからない、遅れて生まれた双子みたいな精度では、「この機能がウリ」みたいなクローン育成ビジネスは無理そうですもんね。(自分はジャンゴ・フェットがいい男だったので、まったく違う意味で「ハーレム軍団ステキ~♪」とか喜んでたバカですが!(笑))

スタトレのほうは、アンドロイドのデータと船内コンピュータ(口頭でコミュニケートできるインターフェイスで、声をアテてたのはプロデューサーの奥さんのメイジェル・バレット)はどうしてああも扱いが違うのか、というあたりを。チャン氏によればデータはキャラクターで、船内コンピュータはただの便利な道具。違いは意識があるかどうか。便利な道具に意識はいらない。だってグーグルに意識なんてもってほしくないよね!…という、しごくまっとーなご意見でした。(わかった単語の範囲では(^ ^;))

(聞いてて思ったのは…ある意味意識の有無とつながってますが…「見た目」が人間ぽいかどうかが、けっこう重要だな、ということ。少なくとも「顔」っぽい部分があって、それが喜怒哀楽を適切に表現していれば、コチラは勝手に「意識がある」ように感じることがあります。たとえそれが、意識でなくプログラムだとしても。
一方で、以前「単純なお掃除ロボット(ルンバみたいな)に名前をつけて、ペットみたいに愛着をもつ人たち」の話題をネットで読んだことを思い出しました。故障すると、買い替えより修理して同じ個体(?)を使うことを望む人が多いんだとか。これはある意味、道具でなくキャラクターとみなしていることになりますね。
その「モノ」自体の機能のレベル…実際の意識の有無(そもそもどうやってそれを測るのかは難しい問題ですが)とかより、コチラ側がどう受け取るかという問題が大きいのかもしれません。それってじつは、根本的な意味での「意識」とか「知性」とかの定義と、その限界につながる話で…人間には「人間ぽい」知性・意識のみがそれと感じられるのだし、それだって外部出力と切り離されたらもう存在を感知できない…ああ、勝手なイモヅル思考を書くのは楽しいけど収拾つかなくなりそうなので(笑)、このへんでやめときます)

…というわけで、ホントに気楽なおしゃべりと言う感じで面白かったです。質疑応答でもディベートでもないから、かえって話題が一般的なレベルまで広がってくれて。(インタビュアーさんの広げ方がうまいのかも)後半、SF設定の経済的なリアリティーについての話(ツッコミ?)がいろいろ出ていたみたいで、個人的には興味がある切り口なんですが、後半になるにつれて口調が滑らかになってくるので…速くて聞き取れませんでした…(涙)(あと、辞書引こうにもスペルがわかんないと!(^ ^;))
でもこーいう肩の凝らない話がもっと聞きたいなー、と思いました。個人的には例えが映像作品だとついていきやすいので、『ゴッド・アーミー』とかそのへんのネタでとりとめない話を聞いてみたいです~。

SFマガジンのインタビューとかだと、やはり小説とか、ハードSFっぽい科学の話題とか、よそゆきの(?)話に終始してしまう感じがするので、もっと広く一般的な話を聞ける機会が増えるといいなー、と思います。…しかしチャン氏の口からスタトレネタの話なんて聞けるとは思いませんでした♪(見ていたこと自体になんかびっくり。スタトレとかスターウォーズとかポピュラーな映像作品って、ハードSF系の趣味の方は歯牙にもかけないのでは?というイメージを勝手に持っていたので…)なんか雲の上の人から、いっきに地続きの人という感じに?(標高差はかなりありそうですが!)

最後はお決まりの質問をということで、今後の作品の予定を聞かれてましたが、現在進行中・準備中のものはないとのことでした。残念。だけど次のを待ってる間に、今回のみたいなコンテンツでぼちぼち露出してくれたら嬉しいです。(でも、やっぱテキストにしてくれるともっと助かるんですが…いや、あの二枚目声を聴けること自体は嬉しいんですけど!(^ ^;))

2011/02/24

"The lifecycle of software objects" ネビュラ賞ノミネート

 グーグルアラートがひさしぶりのニュースを拾ってくれました。

"The lifecycle of software objects"が、ネビュラ賞ノヴェラ部門の最終選考に残ったそうです。 おめでとうございます♪(finalistってそういう意味ですよね?(^ ^;))

グーグルアラートが拾った Subtarranean Press のアナウンスページ
Ted Chiang, Paolo Bacigalupi and Rachel Swirsky — Nebula Award Finalists
(※引っ越し時点ではリンク切れです)

個人的には、もともと賞レースにはあまり興味がないのですが、チャンさんはもはや常連の感がありますね。他を読んでいないので比較ができませんが、すごすぎますね。 なんかただのミーハーファンが軽々しく、こんなページを書いていて、恐れ多い気持ちです。(^ ^;)