2010/09/29

『商人と錬金術師の門』が文庫アンソロジーに収録♪ (2010/9/29)

 SFマガジンを立読みに行って、先々月あたりに座談会の形で告知されていたテッド・チャン氏の『商人と錬金術師の門』が収録されるという、時間SFアンソロジーが発売になっているのを知りました。さっそく文庫の棚に。…ありました!しかも『商人と…』は一番最初に収録されてました。これでSFマガジンのバックナンバーを探さなくとも読めるようになりましたね♪

ここがウィネトカなら、きみはジュディ  時間SF傑作選
(SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
  

SFマガジン収録号は持っているので、ダブッて持っててもなあ…と迷ったんですが、他の収録作も時間をテーマにしたSFの選りすぐりということなので、購入しました。

偶然なんですが、古本屋さんでアシモフの時間SF『永遠の終わり』を見かけて、食指が動いたばかりだったんです。ただし、そこにあったものは「いくら100円でも汚すぎる…」というシロモノだったのでやめたんですが…。帰ってアマゾンを見たら、これ絶版なんですね…ううう、どっちにしろ古本で手に入れるしかないのか…。(ため息)

(余談ですが、これは高校時代にタイトルだけ聞いた作品でした。その頃親しかった「アシモフ大好き」の友達がはまりまくっていて、逆に読みにくくて読む機会を逃した、という思い出があります…(笑)。毎日学校で顔を合わせる友達だったので、万一自分が「入り込めなかった」場合、感想が言いにくいなあ、と。…身近に同じジャンルのファンがいると、かえってこういう気兼ねがあるんですよね。「もう絶対オススメ!」と太鼓判を押されると特に…(^ ^;)。どんな名作でも、突き詰めると個人の好き嫌い次第ですから…その点、面識のない人の書評やレビューでいくら褒められてても、気楽に読めるというものです(笑))

…というわけで、タイミングよく「時間SF」に食いついてしまいました。他の収録作も読むのが楽しみです♪
『商人と…』も、パッとページを見た瞬間、「SFマガジンの二段組で読んだときとは印象が違うな」、と感じました。チャン氏の作品を読むとき、「地の文」の味わいにけっこう魅力を感じるほうなので、一段組で目に入ってくると、その感じが強くなる気がします。うーん、組み方で印象って変わるもんなんですね。同人誌を作るときも意識してみよう、と思いました。(これまでは、「ページ節約のために二段組」、くらいの感覚でやることが多かったので…(^ ^;))

じつは今、あまり本を読む時間がとれないのです…。(10月末のJ庭合わせ新刊の準備にほとんどの時間を注ぎ込んでいるため)短編ならちびちびと手をつけられるかな…。でも、続きが気になってる"The lifecycle of software objects"の英文購読のほうに時間をあてたいのもあり…一日82時間くらいほしいデス…。(涙)

2010/09/16

カバーストーリー

 テッド・チャン氏のカバーストーリーが載っている『City Arts』という雑誌(?)のページをたまたま見つけました。今年の六月に出たもののようです。お話の内容は、以前こちら(Stories of Your Life and Others再版と新刊準備情報で少しふれました、Torで最初の本を出したときの攻防について…文字通り「カバー」ストーリー?(つまんないこと言ってスミマセン(^ ^;))

Cover Story Extra: Ted Chiang vs. Tor Publishing

カバーストーリーってことは表紙の写真も?ということで探したらありました。
シンプルであかぬけた表紙ですね。もったいないけどおすそ分けします…。(笑)
The cover

じつは、自分がTorのエピソードにここで触れたときは、正直「ゴシップ的な話題に食いついちゃったな私」という恥ずかしさもありましたし、「もしかしたら忘れたい過去で、ほじくり返されるとご迷惑なのかも」という憚りも感じたので、実名や参照元を明記するのは避けました。ですが、今回見つけたインタビューの内容や、あとからご本人(?と思われる署名つき)が参照先として昔のブログページへのリンクを張ってらっしゃるのを見て、大丈夫だと判断したのでご紹介します。( 私が以前たまたま読んだのは、この参照先ブログの記事でした)

(Amazonで見た限りでは、Orb Booksという発行社名で出ているものは文字だけの表紙です。Orb Books というのは、Torの再刊ペーパーバック専門の発行社名だそうです。でもその後出たらしいTor名義のペーパーバックが別にあって、その写真を見るとチャン氏発注のイラストが部分的に使われているんですよね…。なんか複雑怪奇?シロウトにはよくわかりませーん!(^ ^;))

きつい締め切りで不本意な作品を書くはめになった、というお話は初めて読みました。ヒューゴー賞のノミネーションを辞退したとかなんとか、というエピソードを小耳にはさんだことがあったのですが、これのことだったのか…納得がいくようになりました。似たような状況は商業作家さんにとってはよくあることだとも思いますし(むしろ日本では締め切りに追われてるのがステイタス、くらいの歪んだイメージが流布しているような気も…?明らかに間違ってるとは思いますが)、凡人の自分が考えると、結果オーライになってしまいそうですが…ここで引くというのはとても清々しい行為。なかなかできることではないと思います。モノを書く姿勢として、あらためて尊敬してしまいました。(しかし「不本意な作品」でもノミネートされてしまうというのが…すごすぎる…(^ ^;))

なんかいろいろ、ぜんぜん違うレベルとジャンルの話ではあるんですけど、「自分もがんばろう」と心に栄養をいただいたり。本気で私淑できる対象が増えるのは、人生のご馳走ですよね…ってちょっと大げさですが。

『Stories of Your Life: And Others 』 Small Beer Pressバージョンの表紙については、やはり推測した通りみたいです。チャンさん自身がイラストレーターを雇って作った表紙で、やっと理想的な形での刊行となるようです。10月の発売が待ち遠しくなりました。

ええと・・・読み進めている『The Lifecycle of software objects』は、現在三分の一くらいのところです。ほんとに英文講読のノリなので・・・でも少しスピードが上がってきましたです。使われる単語に慣れてきたかな?(時間さえ取れればガーッといけちゃいそうなんですが!)
今回もまた、予備知識がなかったら「作者女の人では?」と思いそうなくらい、女性キャラの心理などが共感しやすいです。そして、ヘンな言い方ですが、今までの作品より「SF小説っぽい」感じがします。(いい意味で)読了したらあらためて感想を書きます。

2010/09/02

SF大会展示ページにチャン氏よりのコメントを掲載

 [記事引っ越しにあたっての追記(2025/2/12)]

2010年の日本SF大会にて、チャンさんの"Exhalation"からインスピレーションを得た生け花作品を展示させていただきました。この回の更新は、チャン氏より賜ったコメントを元サイト内の展示記録ページに掲載した旨のお知らせで、記事はなく、タイトルから直接そのページにリンクしていました。

bloggerには該当部分のみ転載したページを設けておりますので、そちらにリンクを貼ります。

『SF、ホラーを生ける/SFいけばなの試み』( 2010/8/7~8 日本SF大会 企画展示)